からだ・こころ・くらし


治療の維持と生活の維持


1.医療費のこと


HIV感染症の治療は、長期継続となります。患者さんが安心して治療を続けられるよう、医療費について利用できる制度を確認し、準備をしましょう。


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高額療養費制度

医療費の自己負担を軽減するために、所得に応じて月の自己負担上限額が決まっています。入院の際は、医療費が高額になることがあるため、保険者に「限度額認定証」を発行してもらいましょう。

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自己負担が直近12か月で、3回以上高額療養費制度に該当した場合は、4回目からは限度額がさらに引き下げられます(多数回該当)。出典:厚生労働省


身体障害者手帳

HIV感染症は、検査データや症状により「免疫機能障害」の1~4級として身体障害者手帳の申請ができます。級や障害の状態等が該当した場合、医療費の助成や障害者のサービス等が利用できるようになります。

①自立支援医療(更生医療)
免疫機能障害として身体障害者手帳を取得すると、HIV感染に関する医療に係る医療費の自己負担を軽減できます。毎月の自己負担上限額は所得に応じて決まっています。


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参考:HIV 感染症「治療の手引き第22 版」/「制度の手引き第7版」


②重度心身障害者医療費助成
障害者の医療費(保険診療内)の自己負担を軽減します。都道府県ごとに対象者の基準が異なりますので、身体障害者手帳の申請をする際に、自治体の窓口で確認してみましょう。

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医療費に関する手続きをチェック

 健康保険はありますか?
 身体障害者手帳(免疫機能障害)の申請を希望しますか?
 自立支援医療(更生医療)の申請を希望しますか?
 重度心身障害者医療費助成は該当しますか?

身体障害者手帳、自立支援医療の申請ができるかまずは主治医に確認しましょう。



2.お金と生活


治療を続けながら自分らしい生活を継続していけるよう、利用できる制度を確認しておきましょう。


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社会資源の利用にあたり

 障害の状態、要介護度、所得状況などによって利用できるものが違う。
 自治体によって制度の内容が異なるものがある。
 病状や生活状況の変化にともない、利用する制度を再検討する。
 相談できる窓口を見つけておく。

正しい情報をもって利用の選択ができるようにしましょう。




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