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やむを得ない場合の抗HIV薬内服中断の方法について(2011年3月15日)

【東北地方太平洋沖地震で被災され、主治医と連絡が取れない患者さんへ】
やむを得ない場合の抗HIV薬内服中断の方法について(2011年3月15日)

抗HIV療法を一旦開始したら、原則として中止すべきではありません。しかし今回の震災のように、手持ちの薬剤が不足し、さらに医療機関で追加処方を受けられない状況においては、一時的な中断を余儀なくされる場合もあります。この場合、治療中断に伴う薬剤耐性獲得の危険性を最小限とするため、以下の方法をご検討ください。

以下の方法はあくまで「やむを得ない場合の」「短期間の中断を想定した」方法のひとつです。これを適用する前に、可能な限り主治医と連絡をとるよう努力してください。また以下の方法を適用した場合でも、主治医と連絡が取れしだい、主治医の判断に従ってください。通常通りの量で内服を継続し、原則として「すべての抗HIV薬を」「同時に」中止します。

通常通りの量で内服を継続し、どれか一つの薬がなくなった時点で他の薬剤も中止するようにしてください。

「数が足りなくなりそうなので1日おきに内服する」「節約のため3種類のうち1種類だけ内服する」「一部の薬がなくなったが心配なので残っている薬だけでも内服する」といった方法は、薬剤耐性獲得の危険が大きくなるため行うべきではありません。とるべき方法は「すべての抗HIV薬を内服する」「すべての抗HIV薬を内服しない」のいずれかです。

ただし、ストックリン錠(エファビレンツ)、ビラミューン錠(ネビラピン)、インテレンス錠(エトラビリン)を含む治療を受けている場合には、可能であればこれらの薬を他の抗HIV薬より先に(2~7日間先行して)中止するようにしてください。これらの薬は他の薬剤より半減期(=体内から消失するのに必要な時間)が長く、他の薬剤と同時に中止すると体の中にこの薬剤だけが残ってしまい、実質的な単剤投与となってしまう可能性があるためです。

注:活動性B型肝炎を合併している方では、通常HIVとB型肝炎ウィルス(HBV)の両方を抑制できる治療薬が選択されています。この場合の治療中断は一部の方でB型肝炎の悪化・再燃をもたらす可能性がありますが、我々の経験から、短期間(4週間程度)の内服中断であればこの可能性は高くないと思われます。

日頃主治医から「絶対に飲み忘れてはいけない」と言われ、頑張って規則正しい服薬を続けている方にとって、治療中断は勇気を要する決断だと思います。しかし上記のような方法をとることによって、治療再開時に再度良好な治療効果を得ることは十分に可能と思われます。

なお内服を中断した場合には、その日時および中断方法を記録しておき、連絡可能となりしだい主治医にお知らせください。

本記事の内容についてご不明の点があれば、ACC医療情報室までお問い合わせください。

注:震災支援用メールアドレス[support311@acc.ncgm.go.jp]の運用は2011年6月末日で終了しました。